2人の間にそんなに距離はないはずなのに、奏斗がたどり着くまでのわずかな時間で 少しずり落ちたルーズソックスと、傾いたピンク色のリボンを直せちゃうんだから 奏斗のマイペースぶりも、すごいもんだわ 「ありえねぇ」 「は?」 ようやく隣に肩を並べた奏斗は、怪訝な面持ちであたしの足を見る ちょ…っ どこ見てんのよ、バカっ! 一瞬、体がカッと熱くなった けど… もしかして奏斗、ルーズ嫌い、とか? ツケマもイヤだって言ってたし、考えられなくは、ないよね?