自分の耳を疑って疑って疑って 奏斗の方へ、ゆっくりと視線を向ける スッピンだってことは、 ずぶ濡れになった時に化粧がぐしゃぐしゃになって、 持ってきていた拭き取りタイプの化粧落としで、顔面を彩っていた鎧を剥いだ後、 『あーもう最悪』 って散々繰り返していたから、 奏斗も知ってる でもっ、 でもでもっ 『…お前、スッピンでもいーんじゃん?』 そんな言葉 奏斗の口から聞けるなんて、想像してもみなかった 『興味ないんだろな』 って、思ってたから