「べっつに、必要なくねー?」
「……っ」
そうだけどっ!
風呂あがりの潤いを帯びた髪の毛とか
湯気ほっかほかの熱気とか
「心の準備というものが必要な、のっ!」
じゃないと
妙に色っぽくて、心臓もたないんですー!
「はぁあ?んだそれ」
「大丈夫、奏斗は考えても分かんないから」
「…お前、俺のことなめてんだろ?」
「だって鈍感なんだもーん!」
眉間にシワを刻む奏斗とは正反対に、イタズラな笑みを浮かべる
制服がびしょびしょになってくれたおかげであたしの体は今、奏斗の服に包まれている
さっきは上だけだったけど、今度は全身



