もういらねぇ。

言い訳ばかりを繰り返して、逃げてた日々は。



クリスマスイヴという、神聖な、夜の空気に誓ったんだ。



─…俺が心愛を、幸せにしてやる



ぜってぇに揺るがねぇ意志を突き刺すように親父さんの瞳を見ると、



ふわぁっ


と、何処からか外の空気が舞い込んできて、


嬉しそうに、満足そうに、口の端をあげて微笑む、親父さんの髪を撫でた。







「…………」




─…その表情が、あまりにも、柔らかくて。


暫くの間、部屋を包む夜風に身を委ねていた。