もっとずっと前に、どっかで… 「……あ」 声を洩らすと呪縛が放たれたように脳内がクリアになり、映像が流れ込んでくる。 夕陽に照らされた、まだ少し幼い、後ろ姿 決してコッチを振り向くことなく、 ただ地平線から広がりゆく朱を見つめ続けるソイツは… 『あたしとお姉ちゃん、なにがそんなに違うのかな?』 ─…そうだ、心愛だ 『あたしだってお母さん、居ないんだけどな…』 心愛だったんだ、 忘れていた記憶の中で、涙を落としたのは。