「………」
その光景を目の当たりにした途端、
─…ピンッと、俺ん中でなにかが弾けた
気が、した。
まだ、なにかは思い出せない。
はっきりと、思い出せない。
「もぉ、勝手にお外出ちゃダメってお約束したよね?」
後を追うように、慌てた保育所の先生が走り寄ってきて、女の子の小せぇ手をとると目線を合わせてしゃがみこんだ。
「だって…だってママ…」
「そっかぁ、寂しくなっちゃったかぁ…。
もうちょっとしたらお迎えきてくれるから、それまで先生とお部屋の中で遊んでまってよっか」
さらに顔をぐじゃぐじゃにして、コクンと頷いた女の子の頭を優しく撫でる先生。
─…母親と、涙…
そんな類いの組み合せを目にすんは、今日がはじめてじゃない。
そんな気が、する…



