「もーう、なにそれー?」
笑っている心愛の声を聴きながら、階段を下りていく
"右側が俺で、左側が心愛"
それがいつの頃からか、俺らの定位置になっていた
◆◇
一歩外に踏み出すと、より凄みの増した突き刺すような寒さが、俺を待ち構えていた
「ちょ…っ、まじさみぃ!」
そりゃぁもう、凍え死ぬんじゃねぇかと思うほど
気が付けば、ふと視界に入った白いマフラーに手を伸ばしていた
「お前そのマフラー貸しやがれ!」
「わっ!ちょっと!無理矢理引っ張んないでよ!」
多分きっと、誘われたのはマフラーの温もりじゃなくて
その下に埋もれる、心愛の首筋



