今日もこーして洗面所の鏡の前に突っ立って、ワックスで髪型を整えてれば


そのうち来んだろ、アイツが





ピーンポーン


とか、インターフォンを間延びさせて。



柔らかいくせに芯のある、耳によく馴染む声で俺の名前が呼ばれるのが、毎朝のこと




「奏斗ー?いくよー?」


…ほら、な?



その瞬間鏡の中の俺は、最っ高に口角が上がる