「あー、じゃぁ俺いくわー」
「えっ?!ちょっ、奏斗っ!」
行かないでよ!
こんな得体の知れない子と2人っきりにしないでってば!
なんて言葉を発する間も無く、あたしを食い止める女の子の背中越しにある廊下側の窓から、ダルそうに歩き去っていく奏斗が見えるだけ
最悪…
マイペース、バカ、鈍感
空気読んでよ!
や、奏斗には無理か
分かってはいるけど読んでほしかった、よ…
「あっはは!置いてかれてやんの!彼、マイペースだねー」
やっと手を離してくれて、だけどだけど相変わらず止むことのない笑い声と
奏斗のことを『彼』
と、人称付けて呼んだ女の子に
既に刻まれていた眉間のシワを、より一層深くする
そんなあたしを見て
「あぁあたし?胡桃みみ、よろしく」



