「えー、急ですが。永井が家庭の都合で転校する事になった」




朝、教壇で話す先生に、眠気も吹っ飛んでざわめくクラスメート。



皆の目線は永井君へ向けられてた。

ただ、弥生ちゃんは私を見ていて、

いつもは伏せている田中君が椅子の背もたれにグッと寄りかかっていて、私を心配してくれているのがわかる。




私はそんな2人に顔が向けれず、自分の机をジッと見下ろしてた。














『じゃあまた明日…今までありがとう』

昨日そう言って、公園から出て行った永井君。


私は展開について行けず、ただひたすら見えなくなるまで永井君を見ていた。



夢であって欲しくて…実感が沸かなくて…







弥生ちゃんにすら言えず、一人で呆然と夢が覚めるのを待っていた。




でも、起きても状況は変わってなかった。