「新垣」
私が公園に着いてから10分くらいで永井君が来た。
街灯に照らされたベンチへ2人で腰を下ろす。
2人で並んで歩く時もあるのに、
同じベンチの隣に座ってるというのは、未だに緊張する。
ついつい永井君側の肩と足に神経が集中してしまう。
「わざわざ電話してごめんね?」
家で寛いで居ただろうに、ここまで来させてしまった事に謝れば、永井君は首を横に振った。
「…俺も、話したい事あったんだ」
永井君の顔は、膝に置いた自分の手に向けていて、とても真剣な顔をしていた。
「…?何?」
永井君の話が気になり、自分の用件より先に聞く。
「………俺…県外に転校するんだ…」

