答えは…
「私、永井が好きだから、渡辺は無理」
だった。
誰も居ない教室での告白に、偶
然教室に入ろうとしていた俺は、入れずに会話を聞いてしまった。
「渡辺に近付いたのは、渡辺と永井が仲良いから……色々永井の情報聞けるし、何よりも永井に近付きやすいし。
渡辺には全く興味無いから…騒がしいだけだし…」
それは、とても酷い言葉だった。
つまりは、渡辺を利用してたって事。
渡辺はそれを聞いて、怒るも何も無く、
「そっか~」
と弱々しく答えてた。
どちらかが入口に向かって来たので、俺はそのままドアから離れた。
そんな事があっても、渡辺は毎回俺を遊びに誘ってくれた。
いつも変わらぬ態度で、楽しい事を言ってくれた。
俺と居ればまた同じような子が現れるかもしれない……
それでも渡辺は俺と居ることを選んだんだ。

