少し歩いたところで、見慣れた二人の男女が居た。 一人は渡辺。 そしてもう一人は新垣… 近付けば会話が聞こえる。 新垣の表情を見れば、少し前の新垣とは違い、笑顔の新垣だった。 その笑顔は渡辺に向けられて、 「渡辺君のそういうの凄く良いと思う。 渡辺君は、人を笑顔にする力があると思うよ」 って言ったんだ…… 新垣がこちらに向かって来るのが見えて、とっさに影へ隠れた。 何故隠れたかはわからない… だけど…今の新垣に話掛けられない……きっと今の俺は、新垣にいつも通りに接せない……