「俺が言った事…あいつに伝われば良いんだけど…」



「伝わると思うよ!」



私は力強く答えた…




「渡辺君、凄いよ!あんなハッキリ言えるなんて。
私だったら…私だったら、何も言えない……その人とのその後の関係とか、周りとか気にしちゃって……」




私なら話をきくだけで、止める事も、指摘する事もできない。


「それは違う」ってハッキリ言えない。




渡辺君は一瞬唖然としたかと思えば、次の瞬間には笑顔だった。




「ありがと!カオリン。
俺はさ、昔…言いたい事言えなかったんだ……

『ちゃんと言えば良かった』って後悔した時には遅かった。


その時に思ったんだ。『どんなに嫌われても、ちゃんと言おう』って!

後から後悔するなんて、自分が勿体ないし!周りなんて気にする前に、自分がどうしたいかが大切だと思うんだ!」