理解した時私は眉を寄せた。
それは、間違ってるのではないだろうか…
渡辺君の顔を盗み見れば、とても険しい顔をしていた。
いつも元気で明るい渡辺君からは想像できないくらい。
「お前さ…」
いつもより低くて落ち着いた声に、男子も異変に気づいたようで、
肩に乗せてた手を下ろした。
「お前、それマジでやっても平気だと思ってんの?」
ポカンとした顔をした男子が、我に返って「遊びじゃん、何真剣になってんの?」と言う。
「ふざけんなよ。彼女の事考えろよ。お前のやる事は裏切りだぞ!?
真剣にお前と付き合ってる彼女に失礼だ……
前と同じ事繰り返すのかよ!」
ハッキリと鋭く言う渡辺君に、男子は「やってらんねー」と去って行った。

