「……おーい」
「……香!」
耳元に響く大きな声でハッとする。
浜田さんに言われた日から一日がたった。
私は知らず知らずの内にボーッとしていたらしい…
「弥生ちゃん、どうしたの?」
何も無いように笑顔で答えた私に、弥生ちゃんは顔をしかめた。
「どうしたって香……」
私の顔をじっと見る弥生ちゃん。
私も負けじと笑顔のまま弥生ちゃんを見る。
少したつと、弥生ちゃんはため息をついて目を逸らした。
「隠したって無駄。何か考えてるんでしょ?」
やっぱり親友…バレてるようだ。
でもこれは私が決めなきゃいけない事。
私の気持ちの問題。
もしあの話をしたら、弥生ちゃんは浜田さんに何か言って、私の味方をしてくれるかもしれない。
……私は……この問題は自分でハッキリさせたい。

