私は考えても、永井君の喜ぶ言葉なんて浮かばなくて、
――――――
大丈夫だよ!くじなんて運だし仕方がないよね♪
――――――
と可愛いげない文章を返す。
少ししてから、
永井君がケータイの文章を確認したらしく、
「はぁ…」とため息を付く声が聞こえた。
……………えっ!?やっぱり可愛いげ無くてがっかりしたかな!?
私は焦ってオロオロしてしまった。
永井君の隣の人が、永井君のため息に気付いたらしく、
「どうした?」と声を掛けていた。
「んー、宝物を人混みの中に落とす気分……」
永井君はボソッと答えた。
隣の子は「意味わかんない」と言うように笑った。
私も意味がわからず「?」を浮かべた。
田中君は、机に顔を俯せたまま肩を震えさせていた。

