チャイムがなり、担任が教室に入ってきた。


手には箱を持っている。

それを持ち上げると、


「これから席替えするぞ!」


と言い、皆は大騒ぎだ。




一人ずつ順番に紙を引くと、黒板に書いてある番号のところに名前を書く。



「次永井~」


教壇のところでくじを引く永井君に皆が集中した。


きっと誰もが「永井君の近くになりたい」と願ってるはず。




紙を見て書いた席は、廊下側の一番前だった。


普段は人気の無い前の席でも、永井君が居れば人気が出る。



「次新垣~」


続いて私も教壇へ向かう。


向かってる時、黒板から帰ってきた永井君とすれ違う。



「また近くだと良いな…」


ボソッと呟いた声に嬉しくなる。