幼馴染は小さい頃から
ずっと一緒。
何でも一緒。
恋までも一緒だったんだ。

 飯田 瞳(15)
 篠田 芽衣(16)
 小嶋 隼人(16)

ピーンポーン
「はーい、芽衣おはよう。」

「おばさん、おはよう。」

「瞳ー!!芽衣来たよー!!」
いつも瞳の親が出る。
瞳はお寝坊さんだから
出た事なんか一回もない。

「あはっ、瞳はまだ寝てないよね??」

ドタドタッ

「ありえないっつーの!!」
瞳が起きてきた。

「じゃあ何でパジャマなの??」

「だってぇー、昨日は眠れなかったの!!
 でもまだ時間じゃないよねぇ」

「瞳が起きるように早く来たの。
 ほらっ早く準備しなさいっ」

「はーいっ」
瞳には世話がやけるんだよなぁ
いつもお母さんみたいになってる。

ドタドタッ

「お待たせしましたぁー!!」

「じゃあ行こっ、おばさん
 行って来ます~」

「お母さん行ってきまぁーっす!!」

「気をつけんだよー!!」

幼馴染だからお互いの親だって
分かり合えてる。
家族みたいな感じ。
そんな関係がいつまでも
続くと思ってたのに。

「あーあっ何で瞳は
 私と同じ高校に
 入れたんだか・・・。」

「何だとぉーっ!!
 うちは頭がいいのだっ!」

「そっか。ごめんごめん。
 瞳は高校に入って
 変わった事あったー?
 恋愛とかさー」

「・・・・・・ないないっ
 何もないよー」

「ふーん、あのね
 私、好きな人できたんだ。」

「誰!?」

「1年の小嶋君。」

「・・・」

「瞳?どうしたのっ??」

「用事思い出したからっ
 帰るね。」

このときは気づいてなかった。
瞳の気持ちに。