「おはよう。行こっか」

「うん」

「でも、よかったの?皆、先に行っちゃったけど」

「今日くらいは・・、ねっ」
あの日のように、二人きりで登校したかった。

だから、皆に嘘をついて、由梨とだけ待ち合わせの時間を遅らせた。
「手、繋いで良い?」

「うん」
由梨の手は、少し冷たかった。
・・爪、切ってって言ったのに。
・・ごめん。