『…深く考えるでない。
我は縁結びの神ぞ。
我に成就させられぬ恋など無いのだ…』
あれこれ考え込む私に、神様はきっぱりとそう言い放った。
「じゃあ、本当に私の恋も…?」
『無論。
…しかし、今の其方は先程申した通り天の邪鬼に取り憑かれているのだ。
これでは結ばれる縁も結ばれぬ。
我が其方の元に参ったのは、それを祓うためぞ』
私に取り憑いた天の邪鬼を祓う…?
「それじゃあ、
天の邪鬼がいなくなれば、あいつに対しても素直になれるの!?」
『さもあらん』
「それなら早く祓って!!」
そう神様に詰め寄る私。
そんな私に神様は静かにこう言った…
『急くでない。
天の邪鬼はそう易々と祓えるのではないのだ…』
「そうなの…?」
『うむ。しかし案ずることはない。
天の邪鬼は我が責任持って祓うてやる……。
…だから今は安心して眠るが良い』
神様はそう言って私の頭をそっと撫でた。
…すると途端に、強い睡魔に襲われて、
私はそのまま眠りに落ちてしまった……