「…ちゃんと告白出来るかな」


あいつのところに向かう最中。


私は不安になって、神様にそう尋ねかけた。



『今の其方なら出来るであろう…』

神様は私の言葉にそう返してくれた。




「…でも、

天の邪鬼に邪魔されないかな…」


『…あぁ、そのことなら問題ない。


天の邪鬼なぞ元より存在せぬ』



「…へ?」



天の邪鬼なんていないとさらりと言ってのけた神様に、

私は唖然となった。



…だって、

いないってどういうこと?

神様は私に憑いた天の邪鬼を祓うために来たんじゃないの?



あまりのことに混乱する私に、神様はこう言った…



『天の邪鬼の話は、其方のひねくれを治すための嘘ぞ。


しかし、その嘘ももはや必要なかろう…。

其方は我の力なぞ無くとも素直でられるのだ』



…つまり、

私はこの神様の言葉を真に受けていただけってこと…?