「俺、瑞穂のこと好きだな…」


狭いシングルベッドの中、私の隣で佑介が言った。


どうして私はここで、こんなことをしてるのだろう。ああ、そうだった。私たちは付き合っているんだった…。


私は寝返りをうって佑介に背を向ける。


「……美奈子はどうすんのよ」


私が呟けばベッドが軋む音がする。彼は起き上がり、ベッド下に散らばった服を適当に身に付けながら答えた。


「うーん…どうしようか…」


佑介には正式に彼女がいる。しかしそれは私ではなく、私の友人の美奈子だ。何で私はこんな股男と付き合っているのか、それすらも、もう、遠い昔のことのように忘れてしまった。


「そうだ、お前今週末のクラス会参加すんの?」


「あー、そういえばあったね…。めんどくさいかも…」


だるそうに言う私に佑介はふーん、と相槌をうつ。


「美奈子がさ、お前のこと誘おうとしてたからさ…」


「…んじゃ、誘われたら行く」


「テキトーすぎ…」


佑介は笑って部屋から出ていった。