しばらくして、お母さんが口を開いた。

「そうね。また、一緒に暮らしましょうね…」

お母さんは、寂しげに笑った。


どうしてそんなふうに笑うの?
また会えるんでしょう?


エルも悲しくなり、ふと空を見上げた。

エルが大好きな空。
いつもは、すっきりするはずなのに、今日はモヤモヤする。

ねぇ、どうして?


さっきまでキラキラ光っていた星も、今は濁って見える。


唯一の心の安らぎを奪われたような気がした。
こんな空は、嫌い。


気づいたら二人は泣くのをやめて、エルの手をとっていた。

「…もう、お家に帰ろうか」

泣いた後の二人は、いつものように戻っていた。


「…うん」

エルは、うなずくと、右手に持っていたペンダントを強く握りしめた。