とてもシンプルな物だったが、エルにとっては、最高の誕生日プレゼントだった。

「このペンダント、今の空みたいでとっても、きれい!」

エルはふと感嘆の声を漏らしていた。
それを聞いたお父さんも目を輝かせた。

「そうだろ?今のエルにはぴったりだと思ったんだ。これは父さんの家で先祖代々受け継がれているものなんだよ」


「よかったわね」

興奮して話すお父さんを見て、お母さんはクスッと笑う。

エルは仲のいい二人を見るのが大好きだった。嬉しくて、自然と笑顔になっていた。

こんな時間がずっと続いて欲しい、エルは心の中で強く願った。


「…あのね」

ようやく決心がついたように、お母さんが口を開く。

エルは次に何が言われるのか、薄々気づいていた。


いくら5歳になったばかりだといっても、人の感情にエルは敏感だった。