エルはちらっとショウを盗み見るが、さっきの話に動じることもなく、真っ直ぐ前を見ていた。


村長はざわめきが小さくなったのを確認して、また、ゴホッと咳払いをした。



「そこで君達に知らせたいのは、このことを知っている国王より、・・・命令がでた・・・と、いうことだ」



村長の思いもよらない言葉に、また、ざわめきだした。


今度は静まりかえるのを待たず、村長は口を開く。

「命令というのは



・・・5人から6人のチームで旅にでてもらう」




今度はざわめきに加え、
「どうして?」

「まじで!」
などという言葉も聞こえてきた。


エルも口をポカンと開けて、ただ驚愕していた。

旅?


なんの為に?



エルの頭の中では、
新しい疑問が次々と出てくる。



「村長、もっと詳しく教えてください」
一人の男の子が―――ユウが、声を張り上げた。

彼だけはなんだか楽しそうだ。