もう終わりだ…
諦めた瞬間
トントン
「ちっ。邪魔が入ったな。」
私はすぐさまルイス様から離れて乱れていた髪を直した。
「失礼。」
「お前か。ヴァン。何の用だ。」
「噂のレディア王国の姫君を見に来たんだよ。」
すっとヴァンと呼ばれた人が私に近づいてきた。
「綺麗なお姫様♪初めまして。僕はヴァン・ラリアスだ。よろしくね。」
そういって私の手を取り手の甲にキスをした。
いつもされていることなのに今日はちょっと違った。
ヴァン・ラリアスはとても美形だった。
「あっ。私はシアン・アボットと言います。ラリアス様。」
「ラリアス様なんて堅苦しいよ。ヴァンでいいよ。シアン。」
「えっと…それではヴァンさんと呼ばしていただきます。」
「うん。満足。」
「おい。用はなんだ。ヴァン。」
「怖いなぁ。王がお呼びだよ。」