"ビシビシビシッ!"

単なる川の水の筈だが、姿を見せぬ化け物に無数のキズ跡を付ける。

「うぐっ…小娘、貴様一体何をした?」

予想外にダメージを負わされた事に焦ったのだろうか?

大学生連中も、すでに不満を唱えるどころではないらしい…

何故なら本来何も無い筈の空間に血が流れた跡が無数に浮かび上がる状況を理解出来ないからだ。

そして圭太も

「葉隠…もしかして源さんの事故は、コイツの仕業か?」

そう認識したので

「そうだな…もはや隠しだての必要もあるまい。コイツは女性客を狙う妖怪…今、私がコイツにした事は櫂を通して川の水に氣を送ったのだ。たかが水と侮るなかれ…論より証拠。ヤツの体表を切り刻むなぞ雑作も無い事」