そして10時になった。

11時に予約してある某敬老会の人達が間もなくやって来る。

久しぶりの川下りに緊張している圭太は、そわそわと落ち着きが無い。

一方の夏希は、お茶を飲んでくつろいでいる。

全く対照的な二人を見比べた事務員の長谷川は

「圭太くんもなっちゃん見習ってちょっとはリラックスしたら?」

なんて軽く言うが…

「リラックスしろったって…コイツ結局試運転せんずくやろ?コンビ組むヤツの能力知らないって、そりゃ不安ですよ…」

圭太の言い分…ごもっともである。

「私は逆に圭太と組めて良かったと思っておるが…」

突然、夏希にそんな事言われた圭太は緊張を通り越しパニックになった。