海原は何かを話したそうだった。 「どうかしたの…?」 「…えっ!?」 あたしの問いに驚いた顔で振り返った。 「あ…、あのさ!」 「……?」 街灯に照らされた海原の顔は赤くなっていた。 「…大丈夫?」 「…えっ?あ…うん! 全然大丈夫!」 こんなにテンパる海原は初めて見た。 あたしには、どうしてこんなに焦っているのか分からなかった。