「わざわざ送ってくれてありがとう!」 家の扉に手をかけながら言った。 「えーでっ! んじゃ、またな。」 海原くんは右手を上げて言いながら、来た道へと向いた。 「あっ!」 家のドアを少し開けた時、声が聞こえた。 「海原って呼んでみてや!」 海原くんが少し遠い位置から叫ぶ。 「…う、海原!」 少し戸惑いながらも、あたしは叫んだ。 「ははっ! ありがと、ばいばい。」 照れたように笑って、暗闇へと消えていった。