「あれ?沖本ちゃん、まだいたの?」 若い店長があたしに気付く。 「あ…はい。 すいません、入り口から帰ります。」 「…? はーい。お疲れ!」 一瞬首をかしげながら、店長は笑顔で見送ってくれた。 「はあ…。」 上に向かってため息をつくと、息が白かった。 上を向いていないと…、涙が出る。