そう思いながら、ふと携帯の画面を見る。

メールにはまだ続きがある事に気づいた。

画面をスクロールさせる。

『駅で見つけた子供も救出しました。一緒に脱出しようと思います』

「…!」

そこに、雄大の名など一言も書かれていない。

その子供が雄大だと、山田は一言も言っていない。

しかし…。

それまで生気を失っていた純の瞳に、光が宿る。

咄嗟に立ち上がり、力強く走り出す。

駅へ。

脱出の希望が、そして雄大生存の一縷の望みが見えてきた、駅へ!