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「お昼ご飯は冷蔵庫にオムライス作って入れてるから、レンジでチンして食べてね。おやつは戸棚の中にピーナッツチョコあるけど、食べ過ぎちゃ駄目よ？こないだみたいに鼻血出るわよ？」

南雲 純（なぐも　じゅん）は手際よく仕事の支度をしながら、5歳になる息子の雄大に言い聞かせる。

「うん」

お気に入りの特撮ヒーローの人形を片手に握り締めて、雄大は聞き分け良く頷いて見せた。

…本当に手のかからない子だ。

純は微笑みながら愛息の愛らしい顔を見つめる。

夫が病気で死別して二年。

女手一つでここまで育ててきた。

勿論苦労もあったし、並大抵の努力ではなかった。

しかし息子の成長する姿を見る度に、そんな苦労も忘れてしまうのだ。

雄大の成長は、純にとっては何よりの楽しみだった。