屍都市

理子と華鈴がキャイキャイ騒いでいるうちに、停留所に一台のバスが入ってくる。

地下鉄と共に美原市民の足となっている重要な交通機関だ。

駅、臨海公園、繁華街、美原高等学校、動物園などを経由する。

バスはゆっくりと停留所に…。

「……あれ?」

最初にその異変に気づいたのは山田だった。

バスの挙動がおかしい。

蛇行運転で走行し、時折そばを走る車にクラクションを鳴らされている。

遂には。

「あ!」

他の車と接触事故。

それでもバスは停車しない。

停車どころか減速すらせず、停留所へと入ってくる。

この速度は危険だ…!