「さぁ、雄大。先に行っててくれ。変身してライオンをやっつけたら、すぐに俺も追いかけるから」

精一杯の笑顔を浮かべる秀一。

「うん!早く来てね!」

雄大は最後まで秀一を疑う事なく走り出す。

…だから秀一は子供が好きだ。

信じる事に何の疑いも持たない。

それが嘘なのではないかとか、騙されているのではないかとか、一切の疑念を持たない。

最後まで俺を信じていてくれる…。

ライオンが走っていく雄大を追おうとするが。

「待てよ」

秀一がライオンの頭に警棒を投げつける。

「雄大を追っかけるんじゃねぇよ…最期まで俺をヒーローでいさせろ」