秀一とした事が、一番ゾンビに関する知識が豊富だというのに迂闊にも失念していた。

ゾンビは体内に無数の寄生虫を保有しているのだ。

ゾンビとは、その寄生虫が体内に入り込む事によって変貌してしまった結果の姿。

ある意味感染症や伝染病に似ている。

そして寄生虫達は貪欲で悪質だ。

奴らは『何にでも寄生する』。

体内に入ってしまえば、人間は勿論、除虫菊のような植物にさえ寄生して枯らしてしまう。

そしてその対象は、百獣の王ライオンでさえ例外ではない。

ライオンはゾンビを捕食した事で寄生虫を体内に取り込んでしまい、その結果ゾンビ化してしまったのだ。

ゾンビ化した事で常識外れの筋力を得たライオンは鉄格子を破壊し、次なる獲物…檻の外にいた秀一と雄大を狙って、小さく唸り声を上げた。