屍都市

…死んだ?

ゾンビを食った事で、ライオンは急激に体調を悪化させてそのまま絶命したようだった。

なのに…。

秀一の胸の鼓動が早くなる。

彼の中で警報が最大音量で鳴り響く。

危険だ、逃げろ。

ここにいるとお前は必ず死ぬ事になる…!

その本能の警告に従って、秀一は雄大と共にその場から逃げようとするが、次の瞬間。

「っ!!」

ガシャン!!と。

突然起き上がったライオンが鉄格子に体当たりした!

太い鉄格子。

たとえ大型肉食獣の力を以ってしても、本来なら破れる代物ではない。

それでも、ライオンは何度も何度も頭からぶつかる。

ライオンの額が割れ、出血し、やがては頭蓋骨が剥き出しになる。

それでも体当たりをやめず、遂には。

「……!」

ライオンは檻を破壊して鉄格子の外に出て、秀一達を見据えた。

…白濁した眼で。