「ハアッ…つ、いた…かも」 最上階の屋上。今、ココ鍵開いてないんじゃなかったっけ… 試しにドアノブを捻り、押してみる。 ギイ…―― あ、開いた…。 古びた鉄と鉄が擦れる音。さっきと同じようにかすかにするミントの香り。 「こーんにちわー……」 今にも消えそうな声。あたし、変に緊張してるわ。 返事はなく、吹き荒れる風が頬にしみる。 一歩一歩踏み出して、制服の裾を握り締めた。 「誰かぃま「うぜぇ…んだよ、王子キャラってのも疲れるな」 え。 今の声...。