甘くも苦い誘惑に溺れて



「いい加減その呼び名やめろっつったろ」


「…だ、だって……」


「俺の周りうろうろするんじゃねぇよ…うざいってのが、わかんねぇのかよ」




彰ちゃん…どうして、そんな風に言うの?



中学三年生の頃から変わった…彰ちゃん…凄く変わった。




「何と言われ様と私、うろうろするもん。一緒に帰ってくれるまで…毎日でも声かけるから」


「…馬鹿じゃねぇ?んな事して、何が楽しいんだ。暇人も大概にしとけや」




そう言うと私から離れてスタスタと歩いて行く。



私は諦めないよ。



だって…幼なじみなんだもん。



誰よりも彰ちゃんの事
わかってる筈なんだから。