甘くも苦い誘惑に溺れて



「…会えるといいな」


「…ええ。何年先になってもいいから…おばあちゃんになってからでもいいから、会いたいわ」




私は両手を広げて深呼吸をした。



私、どうかしてる。



彼に話したって仕方ないし…拓也にすら、こんな話しをしないのに。




「…よし、行くか」


「…ええ。今日はありがとう」


「嫌…気にするな」




私達は車へ戻り家へと向かった。