甘くも苦い誘惑に溺れて



「…ねぇ、あなたは仕事、何をしている人なの?水商売とか?」


「……まあ、な」


「ふぅん。家族は…反対とかしなかったの?」


「さあ、どうだろうな」




別に彼の事が知りたい訳じゃない。



彼の事を知ったからと言ってどうにかなる訳じゃない。



ただ…。



勝手に家族の事が…頭に浮かんで…。



聞いてみただけ…。



ただそれだけ…。