甘くも苦い誘惑に溺れて



「本当は…証拠なんてないんじゃない?」


「…お前の家族構成は4人。10歳離れた弟が居る」


「…そ、そんなの…調べようと思えば、いつでも調べられるわ」




急に彼の表情が変わったのは…私の気のせい?




「…なら。ちなみに弟は車が好きで、小さい頃は部屋に駐車場を作ってよく遊んでいた」


「…なっ?!」


「まだ、言えるぜ?」


「もう、いい…。もういいわ」




この人は、どうしてそんな事を知ってるの…?



私の家族の事を知っているのはごく僅かな筈よ…。