甘くも苦い誘惑に溺れて



暫く沈黙が続き重たい空気が車内を流れる。



彼に許婚の事を聞かなきゃいけないのに…中々言い出せない私…。




「ねぇ…許婚って……本当なの?」


「嘘付いてどーなる」


「…両親が決めた事なの?」


「みたいだな」


「…証拠は?許婚って事は、なんらかの形で私とあなたが知り合いだったのよね?」


「………………」




急に口ごもる彼。



ほら、やっぱり許婚って嘘なんじゃないの?