「…婚約者の所へ行かなくて平気なの?」 「……嫌…今行く」 そう言うと彰ちゃんは立ち上がり窓から見える外を眺めていた。 「…今度はいつ……こっちへ来るの?」 「……さあな」 小さく足音を立てて扉へ向かう背中をじっと見つめて目に焼き付けている事しか出来なかった…。 彰ちゃんの広い背中。 すごく逞しくなっていて…私の知っている彰ちゃんじゃなくなっていた。 彰ちゃん、ありがとう。 本当に、ありがとう。