甘くも苦い誘惑に溺れて



「…ありがとな。…優菜も、拓也と幸せになれよ」


「…ええ。もちろん」




もう、今更拓也とは婚約白紙になったなんて…言えない。



彰ちゃんに…心配はかけられない…。



私は笑っておめでとうって言えるかどうかを試しに来たのに…。



私が祝福されてどうするの…。




「…じゃあ、そろそろ行くわね。見送りに来てくれてありがとう」




椅子から立ち上がり鞄を持ち搭乗ゲートへ向かい少しずつ歩いて行く。