甘くも苦い誘惑に溺れて



もう…帰ろう。



これ以上…ここに居るのはよくないし、居たくない。



私の傍に居てくれた彰ちゃんは、もう…いない。



こんな事なら…来なければよかった…。



幸せそうな彰ちゃんを見てこんなにも胸が痛むのなら…思い切った行動なんてとらなきゃよかった…。



溢れる涙を手で拭いながら私はある場所へと向かった。



彰ちゃんのお父さんが入院している病院。



お見舞いに行ってから…帰らなきゃ。