甘くも苦い誘惑に溺れて



「…ここね」



私は彰ちゃんの住んでいるマンションを見上げた。



マンションと言うよりもビルって言う方が…近いんじゃないかな。



ここの32階に住んでるのね。



高鳴る鼓動のまま胸に手を当て一息ついてからロビーへ入ろうとした時…。



ちょうどロビーから彰ちゃんが出て来た。



私は咄嗟に、近くにある花壇へと隠れてしまった…。