甘くも苦い誘惑に溺れて



「…拓也?」


「あ…ごめんごめん。ぼーっとしてた。もちろんだよ」




微笑む拓也。



でも、拓也の雰囲気がおかしい。



何か、私に隠してる…?




「拓也…どうしたの?なんか様子が変よ?」


「…優菜…あのさ………ちょっと来てっ」




拓也は私の手を取るとおもむろに走り出して来た道を戻って行く。




「拓也?!どうしたの?!」




黙ったまま私の手を引くと車へ乗り込み走らせた。