甘くも苦い誘惑に溺れて



荷物を取ると家を出て拓也の待つマンションへ帰る。



部屋へ上がると珍しく拓也が料理してくれていた。




「優菜。おかえり」


「ただいま」




手を洗うと拓也の隣りへと並んで一緒に料理をする。



拓也は野菜を切る係で私は炒める係。




「あ、ねぇ…拓也」


「ん?」


「さっき…彰ちゃんと偶然会ったの」


「……そっか」




彰ちゃんの話しになると顔色が変わる拓也。



気にしてるのね。